メンバーの商談をさらに詳らかに。注目すべきは「何を伝えるのか」「何を話しているのか」。

  1. 「利用機能」の割合から分かる、営業のタイプ
  2. 「資料活用」の内訳から導かれる様々な仮説
  3. 発言している「金額」の差異から改善策を講じるには。

 営業を研究する小林に聞く、営業原則に基づくコミュニケーション比較機能の活用方法とそこから見えるもの、Vol.3。Vol.1では営業の3原則について。Vol.2 ではハイパフォーマーのパターンの見極め方について解説がありました。今回は、営業3大要素のスキルのうちの「手段」を軸に「利用機能」に注目します!

 

「利用機能」の割合から分かる、営業のタイプ

では、ハイパフォーマーのパターンの見極め方について教えてください。

小林:前回に続いて今回は、顧客に「何を使って伝えているのか」の手段の部分にフォーカスし、よりメンバーの商談を詳らかにしてきましょう。

「何を使って伝えているのか」は商談向け機能の利用時間と利用回数、利用した資料の回数と時間、この4つの内訳をもとに解析します。

これらの内訳をもとに、メンバーがオンライン商談中、顧客に対してどのような画面を表示させているのか、大きな視点から小さな視点にドリルダウンしていくことで、見えてくるものがありますよ。

利用機能の時間と回数は、資料を見せているのか、顔を見せて話しているのか、画面共有でデモを行っているのか、その時間配分はどうなっているのか、様々な視点がありそうですね!

小林:そうですね。まずは、機能利用時間に着目しましょう。ここから見えてくるのは、

いくつかの商談の型です。商談中にどの程度、会話モード(face to face)でコミュニケーションをしているかの割合をハイパフォーマーと比べると差が出る可能性があります。また、画面共有の時間の差からは、資料で説明をしきって、画面共有でデモなどのイメージ想起を顧客に出来ていない、もしくはその逆もあり得ると推測できます。「資料中心で説明する“ヒアリング重要視型”」か、「画面共有で“デモ中心型”」か、これも商材やフェーズによって使い分けが必要ですね。もちろん両方が有効な場合もあります。

では、ベルフェイス社員の2名(DとE)で解説してみます。ハイパフォーマー2名は同じチームで同じフェーズの顧客を担当していますが、違うパターンの営業をしています。

Dは資料活用と自身が話す比率が高いのが特徴。Eは会話モードの比率が高く、顧客が話す比率が高いのが特徴です。Dは積極的に自社商品を説明し受注するタイプ。一方のEは顧客の発言を促し、顔の見える会話モードで受注するタイプです。同じチームでも、異なるタイプのハイパフォーマーがいる分かりやすい例ですね。

「資料活用」の内訳から導かれる様々な仮説

次に、資料軸で見てみます。ここでもベルフェイス社員2名(FとG)の比較で解説しましょう。 ハイパフォーマーF、Fに比べると成績苦戦のG。この2名、商談中に使っている機能や回数には大きく差がありません。

ところが、ページごとの利用時間を比較のグラフには差が明らかに出ます。

この比較結果から様々な仮説が立てられます。 2人ともプラン料金やベルフェイスを使った商談スタイルの説明にはほぼ差が出ません。 ですが、TOPページを表示している長さ、サービス属性、商談に特化した機能、他社との違いについては、明らかな差が見て取れます。受注に際して重要なのは、どのページの説明なのか客観的に分かりますね。

この結果からGは、差が出たページの時間配分を見直す必要性を実感するでしょう。 Gには、Fの同じ資料を使ったレコログで時間配分を学んでもらうと有効です。

発言している「金額」の差異から改善策を講じるには。

最後に説明するのが、スキルを構成する3つ目の要素「何を話しているのか」です。

このタブでは「金額」に特化した発言内容を明らかにできます。 平均受注単価にばらつきがある営業シーンをイメージして開発しました。と言うのも、商談ではプランごとの金額提示をするシーン(広告やSaaS業界は特に)が往々にしてあるという想定があったからです。受注金額にばらつきがある際は、高いメンバーと低いメンバーで比較をします。

同商材を扱うメンバーAは受注単価平均が200万、一方Bは100万です。

なぜBは金額が低いのでしょうか。提示している金額から導き出せる仮説があります。

それは、「そもそも最初に提示している金額が違うのでは?」という仮説です。 金額をどのような流れの中で、どのように提示しているのかも要素としてありますが、傾向として営業成績が上がりにくい人は、受注を取るために受注しやすい低い金額を出しにいきがちです。 顧客に対して、最初に提示している金額が違う可能性があります。レコログを使って金額を発言した前後の会話内容を確認すれば、改善策を講じられますね。

全3回に渡ってお送りした営業3要素をもとにしたコミュニケーション比較特集。商談を比較し、差を視覚化した先に何が見えてくるのか非常に興味深かったです!最後にこれからコミュニケーション比較機能を活用されるユーザーの皆さまへメッセージをお願いします。

小林: 重要なのは、会話傾向、発言傾向、機能傾向の3つのタブそれぞれをまとめて見るのではなくタブ単位、項目単位で比較することです。タブや項目ごとで解釈を変えなければ、見えるはずのものが混在し、分かりにくくなってしまいます。どんな点を見たいのか目的を持って、各タブを活用していただきたいです。今後、コミュニケーション比較には新たな分析軸となる項目も追加される予定です。様々な切り口で営業を明らかにしていきたいと思いますので、ご期待ください!

「コミュニケーション比較機能で、営業メンバーの違いを項目別に可視化できることは分かる…。しかし、その結果をどう解釈したら良いのかは分かりにくい」というユーザーの皆さまのお困りを解決すべく本記事をお届けしましたが、いかがでしたでしょうか。これからもベルポータルでは、機能について開発者の声を交え、皆さまに活用方法をお伝えして参ります。
Vol.1の記事はこちら
コミュニケーション比較を活用するための前提、営業3原則とは?

レコログ(商談録画)をもとにした新機能「コミュニケーション比較」。実際に使われていますか?レコログを分析し、メンバーごとの商談の違いを数値化できるこの機能。数値化することで見えてくるものとは何なのか…。ベルフェイスユーザーのマネージャー層のお客様へ向けてコミュニケーション比較の解釈方法について、本機能の開発に携わった”中の人”、小林が全3回に渡って語ります。

Vo.1の記事を読む

コミュニケーション比較機能を知る